捨てられないアレら

ミームは残しておくよ

今年もホワイトカラーエグゼンプション導入の議論

昨年、国民のアレルギー反応にあって見送りになったホワイトカラーエグゼンプション(white collar exemption)。今年もまた法案提出されるそうですが・・・年金問題で鼻息も荒い舛添厚生労働大臣がなかなか笑える法案の名称変更を言い始めました。

「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション制度(WE)」について、「名前を『家庭だんらん法』にしろと言ってある」と言い換えを指示したことを明らかにした。その上で、「残業代が出なければ、早く帰る動機付けになる」と評価、働き方の改革の一環として取り組む考えを示した。

WEは厚労省が先の通常国会での法制化を目指していたが、
「残業代ゼロ制度」と批判を浴び法案提出を見送った。

素直に見ると、単に「ホワイトカラーエグゼンプション」だとアレルギー反応されるから、名前を変えることでもう少しソフトランディングしたいという意図がある・・・としか見れない。
「残業代が出なければ〜」なんて発言も、該当する労働者からは敵としか映らない。

労働基準法が作られた終戦直後は日本の就業人口のほとんどが第1次産業・第2次産業に従事していた。それが高度成長期を経て、経済が成熟するとともに徐々に第3次産業の比率が高まり、現在では全就業者の約半数が第3次産業に従事している。このように産業構造が大きく変化するなかで、ホワイトカラー労働者のなかに事務的労働ではなく成果のみを求められる新しい労働者が現れ始めた。また、IT環境の整備が整うにつれ、職場に縛られない働き方も可能になってきており、こうした現実に対応した新しい労働時間法制のニーズが生まれた。

法制度の側面から見て、新たに見直す必要のある法律って確かに多いようですね。アメリカ型の労働方式を目指している日本政府ですから、まあこの方向性になるのは分からないではない。
しかし、このメリットを享受できるのは一定以上の大きな企業だけであり、中小の企業ではこの限りではないだろう。
ホワイトカラーエグゼンプションの法案を通すのであれば、厚生労働大臣やその他賛成派の皆さんがテレビや新聞、インターネット等のメディアを通じて、報道などで一般国民が信じているホワイトカラーエグゼンプション像を打ち砕く努力をして欲しい。この法律に関しては、丁寧にその対応をしなければ安倍内閣のアキレス腱に十分になるのだから。他の強制的に通した法律のように一般国民が無関心な事案ではないのだから。

しかし・・・成果主義というのは会社から見れば都合の良い制度だしね。いま勤めている会社は相対評価になりましたし。出来るヒトには良い制度だけど、仕事の出来が並の人以下にとっては何もうれしくないシステムです。
今の働き方に関する法制度というのは、会社の中で優秀なヒトに視点を持って決められているように見え、ただ平凡な社員にとってはどんどん不利になるように作られているなと思うのでした。